「証券データ」は、発行済みの証券に対し、いつ、誰が、どんな証券(株式など)を、どれくらい取得したか、という「確定済みのファイナンス情報」を一元管理する、資本構成のマスターデータです。
株主総会や証券データ連動版資本政策の作成に必須の機能です。
1.「証券データ」の構成
証券データは、以下の3つの切り口から入力・確認が可能です。
保有者:「誰が」持っているか(株主・投資家ごとの保有状況)
証券:「どんな証券(株式の種類)」か(普通株式、種類株式などの詳細)
イベント:「いつ(どのタイミング)」でイベントがあったか(増資、異動、ストックオプション付与などの履歴)
2.「証券データ」を利用した主な機能
「証券データ」を入力することで、「株主総会」や「資本政策」をより活用できるようになります。
2-1.株主総会の効率的な開催
「証券データ」を登録すると、株主総会の招集時点の議決権数が自動計算されます。
これにより、招集通知の作成と送付作業が大幅に簡略化されます。
参考記事:株主総会】株主情報を入力する
<株主総会で「株主」データをご利用の場合>
「株主」データは「証券データ」に統合され、2026年4月末日をもって廃止される予定です。
詳細は下記のお知らせをご確認ください。
2-2.株主名簿の簡単なエクスポート
「証券データ」に入力された「保有者」情報を元に、株主名簿と新株予約権原簿などが自動で作成され、Excel形式でエクスポートすることができます。
参考記事:【証券データ】株主名簿は作成できますか?
2-3.「資本政策」の自動生成
「証券データ」を元に「証券データ連動版」として資本政策が自動生成されます。
3.「証券データ」の入力方法
3-1.「保有者」を追加
「証券データ」の「保有者」画面から「保有者を追加」をクリックします。
以下の情報を入力します。
保有者(契約上の名義)の情報の入力
保有者の基本情報を入力します。
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
保有者名 | 必須 | 保有者の正式な名称を入力 |
保有者種別 | 任意 | 内部/外部を選択 |
保有者区分 | 任意 | 保有者の種類を選択 |
保有者住所(登記上の住所) | 任意 | 保有者の正式な住所(登記上の住所)を入力 |
電磁的方法による招集通知の送付 | 任意 | 株主総会の招集通知をsmartroundから送付することを、当該保有者が承諾しているかどうかのステータスを選択(※) |
※smartround上から「電磁的方法による招集通知の送付申請」を送付可能です。smartroundで申請を行なった場合、回答状況に応じてステータスは自動反映されます。
◼︎一括送信の方法
参考記事:【推奨】一括で申請メールを送付する場合
◼︎個別送信の方法
参考記事:個別に申請メールを送付する場合
なお、口頭や別の手段で確認を行い、手動でステータスを変更することも可能です。
担当者情報の入力
株主総会で招集通知を送付する担当者の情報を入力します。
※「担当者情報を追加」から複数人の担当者を登録できます。
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
氏名 | 任意 | 氏名を入力 |
メールアドレス | 任意 | メールアドレスを入力 |
所属 | 任意 | 所属会社名、部署名などを入力 |
肩書き | 任意 | 肩書きを入力 |
電話番号 | 任意 | 電話番号を入力 |
郵送先 | 任意 | 郵送先の住所を入力 |
社内メモの入力
株主や担当者に関する固有の情報は社内メモとして登録できます。
社内メモの内容はメンバー(社内・社外)には表示されますが、会社間のデータ共有を行っている投資家・アドバイザーには表示されません。
3-2.「証券」の追加
証券データの「証券」画面から「証券を追加」をクリックします。
基本情報の入力
証券の基本情報を入力します。
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
証券区分 | 必須 | 株式/新株予約権/新株予約権付社債のいずれかを選択 |
種別 | 必須 | 株式/新株予約権/新株予約権付社債の種別を選択 |
証券名 | 必須 | 証券名を入力 |
詳細情報の入力
証券の詳細情報を入力します。
株式の場合
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
残余財産優先分配権 | 任意 | 株式の残余財産分配権情報を入力 |
希薄化防止条項 | 任意 | 調整なし/フルラチェット方式/ブロードベース加重平均/ナローベース加重平均のいずれかを選択 |
単元株 | 任意 | 単元株を入力 |
新株予約権(コンバーティブルエクイティ)の場合
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
コンバーティブルエクイティ種別 | 必須 | J-KISS 1.x系/J-KISS 2.x系/SAFE/その他のいずれかを選択 |
ディスカウント | 任意 | ディスカウントを入力 |
キャップ | 任意 | キャップを入力 |
1個あたりの行使価額 | 任意 | 1個あたりの行使価額を入力 |
適格資金調達 | 任意 | 適格資金調達の条件を入力 |
支配権移転時の金銭償還方法 | 任意 | 支配権移転時の金銭償還方法を入力 |
新株予約権(ストックオプション)の場合
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
有償/無償 | 任意 | 有償/無償のいずれかを選択 |
目的たる株式 | 必須 | 行使時に権利者が取得できる株式の種類を選択 |
発行個数 | 任意 | 株主総会で決議したストックオプションの発行個数を入力 |
行使時の付与株式数(1個あたり) | 必須 | 行使時の付与株式数(1個あたり)を入力 |
権利行使価額(1個あたり) | 任意 | 権利行使価額(1個あたり)を入力 |
付与決議日 | 任意 | 付与決議日を入力 |
権利行使期間 | 任意 | 権利行使期間を入力 |
コンバーティブルボンド
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
目的たる株式 | 任意 | 転換時に権利者が取得できる株式の種類を選択 |
転換価額 | 任意 | 転換価額を入力 |
権利行使期間 | 任意 | 権利行使期間を入力 |
3-3.「イベント」の追加
証券データの「イベント」画面から「イベントを追加」をクリックします。
基本情報の入力
イベントの基本情報を入力します。
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
イベント名 | 必須 | イベント名を入力 |
イベント区分 | 必須 | 該当するイベント区分を選択 |
実行日付 | 必須 | イベント日を入力 |
実行時刻 | 任意 | 実行時刻を入力 |
各イベント名とイベント区分の対応表
よくあるイベントと対応するイベント区分はこちらをご参照ください。
イベント名 | イベント区分 |
会社設立 | 会社設立 |
第三者割当増資(例:シリーズA) | 株式発行による資金調達 |
第◯回J-KISS型新株予約権発行 | 新株予約権発行による資金調達 |
第◯回新株予約権付社債発行 | 新株予約権付社債発行による資金調達 |
第◯回新株予約権発行 | 新株予約権(SO)発行 |
第◯回新株予約権消却 | 新株予約権(SO)消却 |
第◯回新株予約権行使 | 新株予約権(SO)行使 |
株式転換(例:普通株→A種) | 株式転換 |
第◯回J-KISS型新株予約権転換 | 新株予約権転換 |
第◯回新株予約権付社債転換 | 新株予約権付社債転換 |
株式譲渡、株式異動 | 株式異動 |
第◯回新株予約権異動、譲渡 | 新株予約権異動 |
株式分割(例:100倍分割) | 株式分割 |
株式併合(例:100株→10株) | 株式併合 |
M&A、買収 | M&A |
IPO、上場 | IPO |
上記に該当しないもの | その他 |
証券の取得・喪失情報の入力
イベントにおける保有者の証券取得・喪失情報を入力します。
※「証券の取得・喪失情報を追加」から複数の取得・喪失情報を登録できます。
項目名 | 必須/任意 | 入力内容 |
保有者名 | 必須 | 保有者を選択 |
証券名 | 必須 | 証券を選択 |
保有増減数量 | 必須 | 取得数/喪失数を入力 |
取引単価 | イベント区分による | 取引単価を入力 |
取引総額 | - | 保有増減数量に取引単価をかけた金額が自動計算されて表示 |
取引総額の調整
取引総額は保有増減数量に取引単価をかけた金額が自動で表示されます。
任意の金額に変更したい場合は「調整」の文字をクリックします。
取引総額を入力し「調整」で保存します。
金額の右側に(調整済)が表示されます。調整前の金額、調整理由についてはツールチップより確認できます。
※資本政策「証券データ連動版」の資金調達額には反映されません。
社内メモの入力
イベントに関連する情報は社内メモとして登録できます。
社内メモの内容はメンバー(社内・社外)には表示されますが、会社間のデータ共有を行っている投資家・アドバイザーには表示されません。
登録したメモは「イベント」タブからも確認できます。
メモアイコンをクリックすると表示されます。色が濃くなっているものがメモが登録されているという表示です。
資本政策を参照して「イベント」を入力する例
例として、資本政策における画像赤枠内の「2014/06/02の第三者割当増資イベント」を入力する場合
赤枠で囲った7つの項目を、
下図の通り入力することで、
各証券保有者の持分比率や累計調達金額が自動計算され、資本政策smartroundの「証券データ連動版」で表示されます。



























