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【ファンドパフォーマンス】取得金額の計算方法

対応者:鈴木后佳

投資管理機能における「取得金額(持分コスト)」の計算方法である先入先出法と移動平均法の違い、それぞれの具体例、およびsmartround上での設定手順と反映箇所について解説します。

1. 取得金額の計算方法(概要と違い)

証券の取得金額は「現在保有している証券を取得するのにかかった金額」を指します。 特に、同じ証券を異なる単価で複数回取得している場合、売却や譲渡などによって保有分が減少した際や、株式等へ転換した際の取得金額の計算ルールは、選択した計算方法によって異なります。

計算方法

ルールと特徴

先入先出法

古い取得分から順番に消費・転換されたとみなして計算します。
過去の取得単価がそのまま順次適用されます。

移動平均法

保有している証券の平均単価をもとに取り崩し額・転換額を計算します。
複数回の取得による単価の違いが平均化されます。

計算結果が変わらないケース

単価が1種類しかない証券(1回のみ取得した証券、または複数回取得していても取得後に売却や転換が一度も発生していない証券)については、どちらの計算方法を選択しても取得金額は同額になります。

2. 具体例による計算ロジック比較

同じ条件で証券の「売却・譲渡」や「転換」が発生した場合に、計算方法(先入先出法 / 移動平均法)によって手元に残る取得金額や引き継がれる取得金額にどのような違いが生じるかを、具体的な数値を用いて比較します。

ケース①:証券の一部を「売却・譲渡」した場合

異なる単価で2回取得したあと一部を売却・譲渡した場合、どの取得分から先に減少したかが計算方法によって異なるため、手元に残った証券の取得金額が変わります。

【前提データ】

  • 2025/01/01:普通株式 500株を単価 100円で取得(取得額: 50,000円)

  • 2025/02/01:普通株式 1,500株を単価 200円で取得(取得額: 300,000円)

  • 2025/03/01:普通株式 300株を売却・譲渡(残株数: 1,700株)

計算方法

保有数量 / 取得金額

計算ロジックの説明

先入先出法

1,700株 / 320,000円

古い 2025/01/01 取得分(100円)から 300株が減少します。
残額:(200株 × 100円) + (1,500株 × 200円) = 320,000円

移動平均法

1,700株 / 297,500円

減少直前の平均単価(175円/株)で取り崩します。
残額:350,000円 × 1,700株 ÷ 2,000株 = 297,500円

ケース②:新株予約権の行使や、J-KISS等を「株式へ一部転換」した場合

新株予約権などの転換イベントでは、転換元から減少した取得金額がそのまま転換先へ引き継がれます。 引き継ぐ額の算出方法が異なるため、「転換元に残る金額」と「転換先の金額」の両方が変わります。

【前提データ】

  • 2025/01/01:J-KISS等 2個を単価 1,000円で取得(取得額: 2,000円)

  • 2025/02/01:J-KISS等 2個を単価 3,000円で取得(取得額: 6,000円)

  • 2025/03/01:「新株予約権転換」により 2個を普通株式 100株へ転換

計算方法

転換元(残J-KISS 2個)の
​取得金額

転換先(普通株式 100株)の
​取得金額

先入先出法

6,000円
(古い1,000円×2個が丸ごと転換され、3,000円×2個が残る)

2,000円
(最初に取得した 1,000円×2個 の金額をそのまま引き継ぐ)

移動平均法

4,000円
(平均単価 2,000円×2個 が残る)

4,000円
(総額8,000円 × 2個 ÷ 4個 の金額を引き継ぐ)

3. 計算方法の設定手順

取得金額の計算方法は、各投資ビークルの設定で変更できます。

対象の投資ビークルを選択し、「設定」タブを開きます。

メニューから「ビークルの基本情報」を選択し、「編集」をクリックします。

「取得金額の計算方法」項目で、「先入先出法」または「移動平均法」を選択し、保存します。

4. 設定変更が反映される主な画面・項目

取得金額の計算方法を変更すると、保有証券の取得金額をベースに算出している各画面やレポートの数値が更新されます。

対象画面・項目

画面へのアクセス方法

補足・詳細

投資先一覧
​
・「持分コスト」列
・「持分現在価値(時価)」列
・「持分現在価値」列

「投資管理」機能> 対象の投資ビークルを選択
​
参考記事:【投資先管理】投資先情報の管理と一覧表示のカスタマイズ

取得金額の計算方法変更に伴い、以下の各項目に影響します。
・持分コスト: 各投資先の保有証券取得金額の合計値です。影響を最も直接的に確認できます。
・持分現在価値(時価):「(最新株価 × 顕在株式数)+ 新株予約権・新株予約権付社債の取得金額合計」で算出されるため、計算方法変更の影響を受けます。
・持分現在価値: 投資先評価を利用していない場合のみ、取得金額の変更が反映されます。(※投資先評価を利用している場合は影響を受けません)

証券データ
​
・「保有者」画面(保有証券)

「投資管理」機能> 対象の投資ビークルを選択 > 対象の投資先を選択 >証券データ「保有者」画面>各保有者をクリック

保有者画面: 保有者の詳細情報が表示されます。
​保有証券: 証券の取得・喪失履歴から計算された、最新日時点で保有している証券の一覧です。各証券の「取得金額」が計算方法に従って更新されます。

投資先報告書
​
「投資額」「B/S計上額」「未実現損益」

「投資管理」機能> 対象の投資ビークルを選択 > 対象の投資先を選択 >「報告書」をクリック
​
参考記事:【投資先管理】報告書を作成する

【注意】報告書を「新規作成」した場合にのみ反映されます。※設定変更前に作成済みの報告書には反映(自動更新)されませんのでご注意ください。
​
・投資額:保有証券の取得金額と同じ値のため、すべての証券で影響します。
・B/S計上額:新株予約権・新株予約権付社債は投資額と同額が計上されるため影響します(株式は持分現在価値ベースのため影響しません)。
・未実現損益:「B/S計上額 − 投資額」で算出されるため、投資額の変更に伴い株式を含めて変動します。

投資先評価
​
「投資金額」「当初取得価額」ほか評価項目

「投資管理」機能> 対象の投資ビークルを選択 > 「投資先評価」タブをクリック
​
参考記事:【投資先評価】投資先の評価を管理する

【注意】評価を「新規登録」した場合にのみ反映されます。
​
※設定変更前に登録済みの評価には反映(自動更新)されませんのでご注意ください。
​
登録済み評価の「当初取得価額」は登録時点の金額で固定されます。そのため、設定変更後に現在の投資情報と食い違う場合、画面に投資金額が異なる旨の警告が表示されることがあります。

パフォーマンス
​
RVPI / TVPI / IRR

「投資管理」機能> 対象の投資ビークルを選択 >「パフォーマンス」タブをクリック
​
参考記事:【ファンドパフォーマンス】ファンドのパフォーマンスを確認する

持分現在価値を元に算出するため、持分現在価値が変わる投資先がある場合に更新されます(例:投資先評価を利用しておらず、新株予約権・新株予約権付社債を保有している投資先)。

確認のワンポイント

設定を切り替えた際、変更前後の違いを素早く確認したい場合は、「投資先一覧」画面の「持分コスト」列を見るのがおすすめです。
「持分コスト」は保有証券の取得金額の合計そのものであるため、計算方法の変更結果が最も直感的に反映されます。

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